QcueZの留学カウンセラーです!
日本と海外との違うところを発見するのって楽しいですよね!!!!
世界を旅されている留学生の方がデンマークの森のような幼稚園を見学された時のことをシェアしてくれました!世界の幼稚園について興味のある方もない方もぜひチェックしてください!!!!!
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世界一周出発前、もしデンマークに来たらどうしても訪れたい場所があった。
世界最古の遊園地チボリ公園?
違う。
世界初の歩行者天国ストロイエ通り?
違う。
幼稚園。
そう。
森の幼稚園である。
僕も何度か森の幼稚園に訪問した際の記事を書いてきたが、まさにその森の幼稚園発祥の地がこのデンマークなのだ!!
元々コネがあるわけではいし、夏休みのシーズンだったのだけど、なんとか見学させて頂けるアポイントをこぎつけることが出来た。
森の幼稚園というだけあって、本当に森の奥の奥にある。
教えてもらった最寄りのバス停から3〜4㎞ほど森の中を進む。
地元のおじちゃんに聞きながら、なんとか幼稚園の看板を発見。
看板に従って小径を抜けると、小さな小屋と子ども達の姿が見えた。
これが今回僕が訪れた森の幼稚園「デン・ブラ・アネモネ」。マリボという街の私立の幼稚園だ。
幼稚園の敷地内に入って行くと、連絡をとってくれた女性の職員さんが笑顔で受け入れてくれた。
以前、アイルランドの森の幼稚園に訪れた際は写真NGだったが、今回は許可を頂いたので、存分に紹介していきたいと思う!!!!
幼稚園の概要
園児数 42人(2歳10ヶ月〜)
職員数 7人(内1人調理員)
給食やおやつ、制作の時には各10〜11人の4つのグループに分かれる。
保育料 2,160DK(約38,000円)/月
基本的なタイムテーブル
6:30〜 開園・朝食・自由遊び
9:00〜 おやつ・朝の集会(みんなで集まって昨日のことを話したり、今日の活動について話す。)
9:30〜 自由遊びor先生が考えた制作やアクティビティ(時期によって。ex.クリスマスなど。)
10:15〜 給食の準備
11:00〜 給食
11:45〜 午睡(2歳〜4歳)
自由遊び(5歳)
13:30〜 起床・自由遊び(2歳〜4歳)
14:00〜 おやつ・絵本読み聞かせor歌
14:30〜 自由遊び
17:00〜 閉園
今回は訪問出来たのは14時〜だったので、職員の方へインタビューをして、1日の基本的なタイムスケジュールを伺った。
朝早く出勤する保護者もいるので、開園時間が早く、朝ご飯を幼稚園で食べることが出来るのが特徴的。
開園時間が早く、給食までの時間が長いので、午前にもおやつの時間が設けられている。
僕が訪問した際のおやつは、フルーツやデンマークでポピュラーな黒パン(ライ麦パン)のサンドイッチでとてもヘルシーだ。
こちらは午後の絵本の読み聞かせをしている様子。
このピンクの髪の保育者が絵本を読み、子ども達は脇でおやつを食べている。
テーブルの中心には、絵本の世界観を表現したセットが置かれ、子ども達が絵本の世界に入り込みやすくしているらしい。
見学者の僕がいることによって、少々気が散る子どももいたが、強制的に絵本を聞かせようとすることはなかった。
子ども達が降園する際には、親と職員が長い時間会話をしている様子も見受けられた。
デンマーク語で話している内容までは分からなかったが、話している時間や雰囲気から、親と幼稚園との間に信頼関係が構築されていることが伺えた。
幼稚園の環境
幼稚園の敷地の広さは大体サッカーコート1面分くらいはあってかなり広大だ。
自由遊びの時間は子ども達はその広大な敷地を自由に使って遊ぶことが出来る。
森自体の面積はさらに広いので、このようなフェンスで幼稚園の敷地が区切られている。
赤い小屋の中には職員の休憩場所や書類が保管されていたり、キッチンが完備されている。
このキッチンで毎日自家製の給食が作られる。
小屋のすぐ外には、子ども達の手の届く高さで給水が出来るように常に準備されている。
小屋の壁面には、子どもの名前と共にそれぞれのコップが掛けられていて、ここからコップを取って各自給水出来る。
右の動物のシール毎に4つのグループが存在し、一番下から年少、年中、上の2列が年長である。
その隣には、各こども衣装ケース1箱分の着替えが用意されている。
常に外で遊ぶので、着替えは常に大量に準備しているようだ。
保護者は毎日この衣装ケースいっぱいの着替えを毎日用意して持ってくるのだという。
お昼寝の時や、着替えの時に使うシェルター。
ここでお昼寝とかすごい気持ち良さそう。
中にはお昼寝用のベッドがある。
基本的に天気が悪くなければ、朝の集会や給食やおやつの時はここに集まるようだ。
また、焚き火場も完備されていて、焚き火の周りに集まってお話をしたり、食べ物を焼いて食べたり出来るようになっている。
このティピと呼ばれる、大きなテントのような建物は、冬の特に寒い日に使用されるそう。
中を覗かせてもらった。
中には焚き火場と、子ども達が全員座れる分の椅子が用意されている。
冬の特に寒い日には、ここで集会をしたり、給食を食べたりするそうだ。
冬が日照時間が短くすぐ暗くなるためか、ランプも何個か用意されている。
こちらはまた別の東屋のような建物で、先程のティピとは違い、風が吹き抜けるようになっていることが分かる。
ここは、春〜秋にかけてのそんなに寒くない時期の雨や悪天候の際に、集会をしたり、給食を食べる時に使っている。
ここにも、焚き火場が完備されている。
今は夏なので、焚き火を囲んでいる姿を見ることは出来なかったが、冬には毎日燃やすであろう薪がたくさん備蓄されている。
森の中を歩いていると、そこら中で何やら文字が書いてある木が目に留まる。
これは、卒園していく子ども達が、小学校に進む前に自分の名前を木に書いていくのだそうだ。
ここからは遊具類を紹介。
この辺はいわゆる砂場グッズ。
砂場は子ども達が掘ったであろう穴がたくさん空いていて、子ども達が遊んでいる様子が目に浮かぶ。
暗さで少し見えにくいが、女の子がターザンロープを実演して見せてくれるところである。
森の中のリアルターザンとか楽しそう過ぎる。
これは船の遊具だが、かなりリアルで作りもしっかりしている。
このような船の遊具は、北欧の街中の公園でも目にすることも多い。
頭だけリアルな馬。
とってつけた感が凄まじい。
地面にはウッドチップが敷かれ、緩衝材の役目を果たし、子ども達がケガをしづらいように設定されている。
自然の中で自由に遊ばせるのは一見リスクが高そうだが、最低限のリスクヘッジは行っているようだ。
バランスをとりながら向こう岸までロープを伝って歩いて行く手作りの遊具。
僕を案内してくれた年長の女の子が、可愛らしいお腹にひっついた虫を見せてくれた。
こういう自然の生き物との関わりも豊富そうだ。
今回は夏休みシーズンで子ども達が少なく、幼稚園は落ち着いた雰囲気だったけど、子ども達はこの大自然の中で自由に思い切り遊んでいた。
体を動かす遊びだけでなく、お絵描きや塗り絵なども屋外のテーブルで行っている。
また、春と秋の年に2回おじいちゃんやおばあちゃん、お父さん、お母さんが園に来て、一緒に制作をする日がある。
そこで、子どもと保護者が一緒に作った作品が森の中の至る所に飾られていて、森の世界観が演出されている。
まとめ
今回は夏休みシーズンで、子どもや職員の数が少なく、本来のこの幼稚園の姿は見ることが出来なかったかもしれない。しかし、本場のデンマークの森の幼稚園の環境や保育内容、保育者と子ども達との関わり方を見ることが出来た。
この幼稚園の良いところはきちんと保護者の理解が得られているところ。
冒頭で、保護者と保育者との信頼関係が築けているということは述べた。悪天候でも外で遊ばせたり、大量の着替えを準備したり、保護者の理解がなければ実現することが難しい。森の幼稚園はデンマーク発祥ということもあって、理解を得るハードルは日本に比べて低いだろう。しかし、子ども達を迎えに来た保護者は、すぐに子ども達を連れて帰るのではなく、少しの間子ども達の幼稚園での様子を見て、保育者と話しをして、まるで保育園の雰囲気や余韻を感じながら帰っていく感じだ。
保護者にどうしてこの幼稚園を選んだか聞くと、「私も子どもも自然が大好きだからだよ!私たちにとってはこの環境が最高なんだ。」と、納得感を持って子どもを幼稚園に預けているようだった。
幼稚園は保育者と保護者どちらか一方通行の保育であってはいけない。
お互いが相互に意見を出し合い、納得しながら「子どもを幸せにする。」という共通目標を目指していることが大切だ。
それを高いレベルで実現しているこの幼稚園は大変勉強になった。
ちなみに、「Søholtvej Skobørnehave」という幼稚園が、デンマークで初めて設立された森の幼稚園らしく、僕は日程の都合上アポイントが取れなかったが、もし、興味のある方がいらっしゃれば是非訪れてみて欲しい。
それでは!!