QcueZの留学カウンセラーです!
日本でもよく話題に上がる保育園事情。海外ではどうなのでしょうか。
アイルランド留学に行かれたTomさんがアイルランドの保育事情についてまとめてくれました!!!興味のある方がぜひチェックしてください!!!!!
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どうもTomです!!
先日、アイルランドの幼稚園に突撃することが出来ました。
アイルランドの保育現場を見たいというのはもちろん、現役の保育士に話を聞いて、アイルランドの保育事情について知りたいという目的がありました。
個人的にもネットで調べていたのですが、日本語でのサイトは情報が少なく、アイルランドのサイトを探しましたが、なかなかアイルランド全体の保育環境が見えませんでした。
しかし!!!
今回見学させてもらった幼稚園の現役バリバリの保育士に突撃取材をして、アイルランドの保育についての情報を得ることが出来たので、その情報をシェアしたいと思います!!
今回、話を聞けたのは以下についてです。
目次
- クレッシュってなに?
- アイルランドの保育料ってどれくらい?
- アイルランドは育児休暇が充実しているの?
- 保育士の配置基準は?
- 保育士の給与は?
- アイルランドの男性保育士はどれくらいいるの?
- アイルランドで保育士になるにはどうすればいい?
それでは、順に見ていきましょう!!
1.クレッシュってなに?
アイルランドで保育関連について調べていると、度々「クレッシュ(créche)」という言葉を目にします。
実は、アイルランドでは保育施設のことをクレッシュと呼ぶそう。
Q「クレッシュって何ですか?ナーサリーやキンダーガーデンとは何が違うのでしょうか?」
A「一緒よ。アイルランドではナーサリーとかキンダーガーデンと同じ意味よ。イギリスではナーサリーって呼ぶわ。」
調べてみると「クレッシュ(créche)」というのは、保育所を指すアメリカ英語みたいです。
2.アイルランドの保育料ってどれくらい?
アイルランドの保育料は高いのでしょうか?安いのでしょうか?
答えは…
めっちゃめちゃに高い!!
Q「アイルランドの保育料は高いと聞いたのですが、実際高いですか?」
A「ええ、ものすごく高いわ。大体、月€1200くらいね。」
月€1,200、、、
今のレートだと大体€1=120円くらいだから、、、
1.200×120で、、、
144,000円?、、、
¥144,000!!!!!!!!!!!
高すぎる。
平均でこれですよ。最高額じゃないですからね。
こちらのグラフを見ても、アイルランドの保育費用が高いことが分かります。
2人の子どもを預けた場合の、夫婦が共働きの給与収入に占める保育費用の割合は45%。
保育サービス料と純費用共に、世界でトップです。
2004年と少し古いデータですが、今回の話を聞いても、この状態からほとんど改善されてはいないようです。
アイルランドは、就学前サービスに対しての公的支出が他のEU諸国の平均よりも圧倒的に少なく、保育に関する手当や補助金がほとんどないため、親は高額の保育料を払わなくてはいけない状況なのだそうです。
これはかなり深刻な問題です。
ちなみに、保育所は私立が90%、公立はわずか10%だそうです。
3.アイルランドは育児休暇が充実しているの?
保育料がものすごく高いことは分かりました。
これでは、保育園や幼稚園に入れる家庭は少ないことが予想出来ます。
僕の周りでアイルランドホームステイ経験がある友達も、子どもは結構ずっと家にいるという話を聞いたこともあります。(僕のホームステイ先は残念ながら子どもがいませんでしたが 。)
ということは、育児休暇が充実している素晴らしい国なのか!
Q「育児休暇はどのくらい取得出来ますか?」
A「国で保証されているのは、母親が6ヶ月で1週間あたり€250が支給されて、父親が2週間よ。それ以上はそれぞれの企業によるわ。」
…
…
…
短くね?
「ちなみに父親の育児休暇制度は2016年から出来て、それ以前は無かったわ。」
保育料がものすごい高い上に、国で保証されている育児休暇も短い。
なんだか、だんだんアイルランドの保育の深刻な問題が見え隠れしてきました。
4.保育士の配置基準は?
日本でも最近、待機児童問題と相まって話題に登ることが多い保育士の配置基準ですが、アイルランドはどのくらいなのでしょうか?
日本と比べてみました。
【アイルランド】 【日本】
0歳→1:3 0歳→1:3
1〜2歳→1:5 1、2歳→1:6
2〜3歳→1:6 3歳→1:20
3〜5歳→1:8 4、5歳→1:30
配置基準はアイルランドより、日本の方が圧倒的に子どもの割合が大きいです。
日本の配置基準をアイルランドの保育士に伝えると、
「Jesus…」
と驚いていました。
やはり、日本の配置基準は海外から見ると、衝撃を受けるくらいかなり多いようです。
5.保育士の給与は?
保育士の給与も最近、日本で話題に取り上げられます。
アイルランドの保育士の給与はどれくらいなのでしょうか?
Q「保育士の年収って大体どのくらいですか?」
A「大体€20,000くらいね。」
Q「それは、他の職業に比べて低いですか?」
A「かなり低いわね。他の教育関係の仕事の年収は大体€30,000〜€40,000くらいだと思うわ。私の小学校の先生をやっている友達の年収は大体€35,000くらいね。」
アイルランドの保育士も、日本と同じく他の職業に比べて低いようです。
日本と同じくらいか、それ以上に低い水準かもしれません。
もし、保育士が子どもをクレッシュに預けた場合、先述したアイルランドの保育料で考えると、年収の7〜8割が保育費用に消えてしまいます。
6.アイルランドの男性保育士はどれくらいいるの?
男性保育士についても、最近日本で話題になっていることの1つです。
今回見学に行った幼稚園には、5人中2人が男性でした。
これはもしや、アイルランドでは男性の保育士は一般的なのでしょうか?
男性の職員の方に聞いてみました。
Q「アイルランドで男性保育士は一般的ですか?」
A「いや、かなり少ない。アイルランドに20,000人保育士がいるが、女性が99%、男性はわずか1%だ。ここは5人中2人男性だが、かなりレアなケースだよ。」
日本の男性保育士の割合は3〜4%と言われていますから、日本よりも男性保育士の割合は低いみたいです。
給料が低い上に、保育料が高く、クレッシュに子どもを預ける家庭も少なく、安定した職業というわけでもないので、男性が少ないのは当たり前なのかもしれません。
7.アイルランドで保育士になるにはどうすればいい?
アイルランドでは、保育士などの子どもと関わる仕事に就くためには、FETACという資格が必要になります。
アイルランドは日本のように、幼稚園教諭と保育士で資格が分かれていません。
このFETACという資格について詳しく聞いてみました。
Q「アイルランドでは保育士になるためには、FETACという資格が必要だと思いますが、その資格についてもう少し詳しく教えて下さい。」
A「FETACにはレベルがあって、クレッシュで働くにはFETAC5が必要だ。チームリーダーになるには、FETAC6が必要になる。もちろん、そっちの方がたくさん給料ももらえる。」
幼稚園教諭1種と2種みたいな感じでしょうか。
また、FETACにはレベル7,8まであり、それは日本で言う博士号です。
チームリーダーとは、学年主任や主任のようなポジションです。
Q「FETACを取得するには、どのような方法がありますか?」
A「FETACを取得するには、1年間専門学校に通うか、4年間大学に通うかの2つの方法がある。大学の方がたくさんの知識が得られるから、俺は大学の方が良いと思う。」
Q「試験だけで取得することは可能ですか?」
A「それは出来ないな。」
専門学校や大学に通って取得するのは日本と同じですが、日本のように国家試験だけで資格を取得することは出来ないみたいですね。
まとめ
インターネットで調べていても、なかなかアイルランドの保育環境が見えて来なかったのですが、今回直接現役の保育士に話を聞くことによって、だんだんアイルランドの保育環境が見えてきました。
日本と同じように、保育士の給料が低いこと、男性保育士が少ないこと。
また、政府からの援助が少ないことから、保育費用の高さや、育児休暇の短さなどが、他国に比べて子育てがしにくい環境になっているかもしれません。
しかしながら、保育士の配置基準は日本よりも手厚かったり、資格は必ず学校に通わないといけなかったりと、保育の質に関する部分にはこだわりがあるようにも感じました。
今回聞いた話をもとに、さらにアイルランドの保育環境について調べていくと、実はさらに深いところまで問題が発生しているようです。
また、次の記事でシェアしたいと思います。
それでは!!